という経験をしている当事者は結構居る。
サピアで使っている簡単なコミュニケーションカードゲームの質問に
「人に嫌われるにはどうしたら良いですか?」と言うものがある。
今まで色んな当事者の方の話しを聞いたが、先日
「(人に嫌われるには)相手の人が嫌がるように接すればいい」
という方がいて印象に残った。
当事者でなかったり、当事者と係わりの少ない方は「そんな身も蓋も無い当たり前のことを?」と思われるかも知れない。
だが相手が嫌がることを知り、それをしないようにするだけでもいくつものプロセスがある。
■初め
他人への関心が乏しく「相手が何を嫌がるか?」を学ぶ意欲が無い
自他の「何を嫌がるか?」の感覚が違いすぎ、「自分だったらどう思うか?」から嫌がる言動を学習できない
■中間
「自分が相手の立場だったら」と考える客観的視点がつど機能しない
衝動性が強くなると自分の「○○したい」を抑えられない
「嫌われない、仲良く過ごす」ことの価値・優先順位が一般的基準より低い
■その後
自分は正しくて相手が間違っていると決め付け、自分の価値観を押し付ける
自分にとって「嫌がることをしてくる相手」への対応が身に付かない
といった辺りになるだろうか。
■別要素
上記はあくまで「当事者自身が意識できる言動」に限定して機能するので、範囲外のコンテクストについては依然として、知らずに嫌われ続ける。
例えば机の上を片付けず、ぐちゃぐちゃな状態で勤務し知らずに印象を悪くするなど、
「その位は出来るようになっておこうよ」「その位は知ってるでしょ」
「そのくらい○○」と思われている事柄については、成人すると不出来でも指摘されなかったり、されても当人が「自分は気にならないんで」で終わらせてしまったりする。
■まとめ
相手に意識的に「好かれる、嫌われる」が行えるようになるまでには、出来ている人には理解しにくい階段が有り、昇る意思を持つ方も途中で疲弊していく。