感情表現のうまい人とは?
当事者の集まりでタイトルの話になった。
■感情と当事者
実感として当事者で「感情の認知」を定型の方と同じレベルで遜色なく行える方の方が少ない。
その中でも
1.認知できない感情が身体症状などで表れて苦しむ
2.認知したがどう対応すればよいのか分からない
3.対応方法が野蛮(押し殺す、攻撃的に相手にぶつける)
と言った段階に分かれる。
さらにそれを
1.苦と思うか、思わないか。
2.相手や周囲のせいだと思うか自分の課題だと思うか
(その見解が正しい場合も行き過ぎな場合も含む)
でも分かれてくる。
■感情労働
金子みすずの詩・童謡集[こだまでしょうか]
のように、感情表現はを人対人で行うと表明した感情は程度の差はあれ相手に連鎖する。
そう言った作用がある以上、感情はそれ自体がコミュニケーションツールであり、生産される対象だ。
感情労働
の言葉通りそれ自体が対価の支払われる労働であり、無償で行われれば搾取とも表現できる。
彼らのような感情労働のプロは一義的に「感情表現のうまい人」だ。
■実感情と表明感情のマルチコントロール
彼らの特徴は
自分はネガティブな感情への連鎖はせず
相手にポジティブ感情への連鎖(転換)を提供し続ける。
彼らは、
1.自分の実感情
2.表明する感情
を別々に制御し、時に適切な量をリンクし成果を最大化する。
■ネガティブ感情を使いこなす
さらに様々な「カリスマ」と呼ばれる人物になると、怒哀、ネガティブで一般的にNGとされる感情表現すらも使いこなす。
例えば、彼らに怒られた受け手は、「自分に期待してくれているから怒ってくれた」と解釈する。
比喩的に言うならば、カリスマとは、「受け手の期待を超えて裏切る商品、感情労働を提供する人」とも言える。
「相手にこれをこう伝えたらこうなるだろう」という感覚と、それを行える演技力が高い。
さらに別の要素として上記の能力に加え、用途。
「その能力を何に使うか?」
1.利己的なものであるか
2.利他的なものであるか
によっても、「うまい」の深さに差が出る。
■感情の上書き
「自分を好きな人は、人を嫌いにならない。なぜなら嫌いな人を思う時間は快適ではない。快適に過ごせる時間をより多くすごす秘訣は嫌いにならないことだ」と言う言葉の通り
自分のネガティブな感情をポジティブに上書きをする能力に長けている人は、細かなことで落ち込まないし、理不尽にも強い。
■限度
「実感情と表明感情のマルチコントロール」と「感情の上書き」は可能量が人ぞれぞれにあり使いすぎると疲弊が凄まじい。
二義的に「感情表現のうまい人」とは自身の許容量を知り、範囲内で的確な場面で使用する人だ。